個人的評価 ★★★☆
東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。
担当は、眼球に発生する癌――網膜芽腫(レティノブラストーマ)の
子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、
子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。
その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された
加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターの
スタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の
変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく……。
前作より白鳥の活躍が見られなかった?気がして残念だったのだが、
この著者の作品は、出てくる人物が魅力的で飽きることがない。
正直、内容は理解しがたい(SFのように感じる)部分もあったのだが、
ネット某所で見かけた著者のインタビューによると、その部分に関する
知識が事前にあるかないかで受け取り方が変わってくるだろうとのこと。
ということは、私のような一般人には突飛に思えても、その分野の
知識のある方にとっては、納得のいくことなのかも。
ミステリーとしては期待したほどではなかったし、前作がかなり
面白かっただけに、比べてしまうとどうしても期待外れに思えてしまった。
だが、3部作を読み終えている今振り返ってみると、これはこれで
悪くないのかもしれないと思う。
そして、病院長の仰るある格言が、大変印象深く、心に残る。
敢えてここでは引用しないが(興味のある方は、amazonのレビューにも
引用があったので、調べれば分かると思う)、あの一文を聞けただけでも
読んだ価値はあったな、と思うほど。